« 2006年02月 | メイン | 2006年06月 »
2006年04月17日
アイオワシティを竜巻が襲う(2)
いくら竜巻の多い中西部といえども、都市部それも中心部を襲来するというのは極めて珍しいことのようです。 時間が経つにつれ、また自分の目で被害をみるにつれ、じわじわと恐ろしさを実感しています。
さて、予告の通り、いくつか市内の写真をとってきましたのでご紹介します。お断りしておきますが、 街全体が以下のようになったわけではありません。竜巻は本当に線を描くように破壊してゆくので、 被害に遭っていないところは、まったく被害にあっていないという状態です。通り一本挟んで天国と地獄といったところです。
まず、これは被害翌日の大学駐車場の大木です。我が家からは坂を下りていったところにあります。 まさかこんなことになっているとは思いませんでしたので、度肝を抜かれました。この近辺では、ほぼ全壊した 建物(自動車修理工場)もあります。もしも、夕方に人がいる一般住宅だったら・・・恐ろしい。
こちらは、同じく被害翌日の近所のウォルマートの駐車場のクルマです。じつはこの近辺にある自動車ディーラーの多くが 被害にあっています。ほとんどのクルマを屋外に展示していたため、大きな被害がでたようです。2日後の地元新聞には こわれた建物の写真とともに「記録的な大安売り!」と地元ディーラーの一面広告がでていました。おのおのの展示車の 窓には損害に応じた値引きが書き込まれてました($1000-$3000程度)。
被害2日後のダウンタウン。K先生のアパートの隣。屋根がなくなっています。中のテナントは移転先がきまったようです。 おそらく解体になると思います。また反対側のアパートも立ち入り禁止&解体決定のようです。K先生のアパートは、 今日晴れて立ち入り禁止解除になりました。
そのK先生の部屋からの眺め。窓が汚くて申し訳ないのですが、外壁全面が泥だらけになっているのです。竜巻直後は クルマが3台縦に積まれていたそうですが、それは撤去された後のようです。
今日は、ダウンタウン中心は、依然信号機が作動していないところ(というか引きちぎられたまま)もありますが、 通行規制はほぼ解除され、ガレキもかなりかたずけられています。
もっとすごい写真は、地元新聞The Gazetteの特集ページにたくさん掲載されているので興味のある方はどうぞ。
これだけの被害で、アイオワシティ内では死者がでなかったのは奇跡的だと思います。まあ、若い人の多い、 活気のある街ですから、意外と早く復興するのではないでしょうか。ぜひそうであってほしいです。
投稿者 hmishima : 23:00 | コメント (0) | トラックバック
2006年04月14日
アイオワシティを竜巻が襲う
結局、知人で怪我をしたり、直接に被害にあった方はいなかったのですが、
13日木曜日夜、竜巻がアイオワシティのダウンタウンを直撃しました。 CNN.comの記事。
ワタシの住んでいるBenton St,近辺は小高い丘にあるためか、全く問題はなかったのですが、ダウンタウンを横切るように移動した竜巻は、クルマや家をふっとばし、木をなぎ倒し、まさに「爪痕」を街にのこしました。ダウンタウン中心部は交通規制もあり、かなり渋滞しています。近くにあったプレハブ建てのDeily Queenは、ぶっつぶれていました。アイオワシティのウォルマートも閉鎖。
まさに被害の中心地に住んでらっしゃる、となりのラボ日本人研究者のK先生は、幸いにも室内にいて怪我もなく無事でしたが、竜巻直撃の瞬間はアパート全体が地震のように激しく揺れたそうです。裏にある駐車場のクルマは全滅だそうです。2,3台クルマが積み重なっているそうで。
ところが、金曜日夕方に大学から帰宅すると、隣のアパートに倒壊の危険があるとのことで、ご自宅のアパートもいっしょに封鎖されてしまったとのことです。大学のIowa Memorial Unionでは、避難した学生のために宿泊所が設営されているのことで、そこに行くように警察から言われたそうですが、K先生については、とりあえずアパートにもどれるまでは我が家に避難ということになりました。
この強烈な気候は、まさにアメリカ。それにしても我が家のまわりはまったく荒れた様子もありません。一区画違うだけで被害がまったく違うのが、掃除機で線を描くように暴れるトルネードの特徴なのかもしれません。
この週末も天気が不安定とのことで不安が残ります。実際、20℃を越える不自然な蒸し暑さがつづいてまして、アイオワシティの北には大きな温暖前線が、西には寒冷前線が発達しているようです。
今回のトルネードの被害は死者1名(アイオワシティ外でトレーラーハウスごと飛ばされたようです)、怪我人22人とのことです。少なくともアイオワシティでは命に関わるような怪我人はいない模様です。明日は写真も含めて、もうちょっと詳しくレポートする予定です。
投稿者 hmishima : 23:38 | コメント (0) | トラックバック
2006年04月12日
Google AdSense導入断念?
大学のサーバーから自前のレンタルサーバーに引っ越ししたこともあり、 レンタル代の足しにでもなるだろうし、blog更新のモチベーション維持につながるだろうという 目論見でメジャーなweb広告のひとつGoogle AdSenseを申し込んでみました。
が、
はたして「J1ビザ保持者が広告収入を得ていいのか」
という疑問がわいてきました。サーバーは日本にあるものの、web広告から収入を得るのは、たしかにアメリカ在住中にDS2019に記載された大学以外からのお金をアメリカの企業から受け取ることになります。これが「不法就労」と みなされるか否か。 一方、アメリカでの投資益(自動車の売買益、家の売買益、 部屋のサブリースでの収入)、ギャンブル・宝くじでの収益を得ることは認められていますので、一律に大学以外からの 収入が禁止されているわけではありません。
この件については日本語の情報はほとんど無いので、Google.comから"J1 visa adsense"のような キーワードで検索して、調べてみましたが明確な答えは見つけられませんでした。 どうやら「web広告収入」とか「アフィリエイト収入」というのはグレーゾーンのようです。 とりあえず現状としては、連邦税当局と 移民当局のデータベースは統一されていないようなので、「たぶんだいじょうぶなんじゃないの?」 程度の曖昧な情報はあるのですが、一方、両データベースは近々統一されるという情報もあります。 こうなればビザの延長や、再入国時になにかのトラブルが生じないともかぎりません。
最も確実なのは、移民法と連邦税法に精通した弁護士に相談することですが、そんなことしたらAdsenseの収入なんか 吹っ飛んでしまうのは目に見えてます。
ということで、リスクを勘案し、一旦断念!することにいたしました。Googleからは採用通知がきていて残念至極なのですが。まあ、他に住所を日本にするとか、日本に住んでいる家族名義で申し込むとか抜け道はありそうなんですけどね。 サーバーは日本にあるんだし。でも、ここまでblogで説明したところを日本語読めるアメリカ当局のヒトにみられたら申し開きできないなあ。
この件について情報お持ちの方いらっしゃいましたら、ぜひご一報を!
*追記(4-15-2006)
その後も調べた結果,やはりF1/H1B/J1などの学生・就労ビザ保持者がAdSenseをはじめとするWebからの収入を得ることは不法就労とみなされるおそれがあるようです.Google Answersに弁護士の意見へのリンクを含めた 詳細な解説があります.
恐ろしいのは,一部のQ&Aサイトの解答には「職業として広告を出さない限り問題ない」,とするものもあることです.これは弁護士による解答ではありませんでした(そのわりに自信たっぷりと書いてありましたが).やはり,「ウソをウソと見抜けないと(インターネットを使うのは)難しい」という某巨大匿名掲示板群管理人の言葉は名言です.
ちなみに前出のQ&Aでは,質問者が「米国外のAdsense同等のサービスから収入を得るってのはどう?」と 追加質問をしていますが,その答えは「the few extra dollars just aren't worth the risk, especially if you are planning on becoming a permanent resident.」とまあ,至極もっともなものでした.僕は別にグリーンカード をとろうとは思っていませんが,何もハイリスク/ローリターンの賭をする意味はないでしょう.
結論.「よせ。」
投稿者 hmishima : 23:59
2006年04月08日
Movable Typeにアクセスカウンタをつけてみる
Movable Type (MT) のカスタマイズのおはなし. また今回もマニア向けですので,わからないひとは早々に立ち去るがよい!
*mt-sukeroku-plus.plプラグインの導入
まず,第一に,ささやかなる実験場の開発室(HSJ.jp)のDonaDona(KITAO Masato)さんによるmt-sukeroku-plus.plを導入しました.もう,感動の嵐!Pukiwikiのエミュレーションができるので,ワタシのようにPukiwikiをblog代わりに使っていた者にとってはMTの操作性を根本からくつがえすようなpluginです.作者のDonaDonaさんには深く感謝いたします.
インストールは,単にpluginsディレクトリに,mt-sukeroku-plus.plを放り込んで,"chmod u+x *.pl"で実行可にしてサイトを再構築するだけです.詳しい方法は導入ガイドにあるとうりです.MT version 3.2-ja-2では一部設定項目の日本語訳が違いますが(「テキストフォーマット」→「改行設定」など),問題なくできるでしょう.
*MTにアクセスカウンタをつけてみる
なんでわざわざスケロクプラスを導入しようかと思ったのかというと,以下の説明で,<pre>...</pre>タグを使ってもなかなかうまくいかず(具体的には整形タグ内の不等号記号がタグ扱いになってしまう),発狂しそうになったからなんですね.で,ついにPukiwikiの書式(行頭半角スペースで整形済みを意味する)がつかえるようになったので,どんどん説明いってみましょう
*MTでのアクセスカウンタ表示のまとめ
MTは最終的にはindex.htmlを静的に出力するシステムですから,そこにSSIを適用すれば昔ながらのアクセスカウンタが実現できるわけです.
*設定方法
-
MTの出力ファイル名を"index.shtml"にする
さくらインターネットの設定ではSSIを利用するためには拡張子が"shtml"である必要があるので,テンプレート「メインページ」の出力ファイル名をindex.shtmlに変更する.そしておそらくindex.htmlがあるとそちらが優先されるはずなので,index.htmlは削除. -
お好きなcgiをインストール
ワタシはさくらインターネットサーバーコントロールパネルから"TEXT COUNTER"をインストールしました(CGIの公開先はこちら).インストール先はとりあえず"counter"としときました. -
テンプレートの変更
「メインページ」テンプレートの適当なところに以下のようにSSIタグを挿入.
<h2>ご来場のお客様</h2> <ul> <!--#exec cgi="../counter/txcount.cgi"--> </ul>
-
CGIの出力をカスタマイズ
ワタシのつかっているテンプレートデザインでは<ul><li></li></ul>がCSSで指定されているので,それに従ってtxcount.tmpを以下のとおりシンプルにしておく.こっちに,<ul>...</ul>をいれたほうがスマートかもしれないなあ.
<li>Total:<b><!-- count --></b></li> <li>Yesterday: <b><!-- yesterday --></b></li> <li>Today: <b><!-- today --></b></li>
-
サイトの再構成でできあがり
ちなみに当サイトではWiki版の来訪者数をひきつぐためにログファイルを手直ししました.それとカウントは引き続き同一IPアドレスの連続を除外した「訪問者数」でいきたいと思います.
*感想
はじめは,なにかMTにプラグインを入れなきゃなんなかと考えていたので,遠回りになってまいましたが,これで一件落着です.それにしても今回のようなHTMLのソースコードが出てくる文書の場合,スケロクプラスの威力は圧倒的ですなあ.
投稿者 hmishima : 16:26
2006年04月07日
英語の"style"
前回のエントリに書いたように,ちょこちょこと英語作文をしている今日この頃です.未だ本番の「論文」を書き始めていないのが悲しいのですが,そこはそれ,準備期間ということで,ただいま「英語のstyle」について勉強中です.
トラックバックを打たしていただきましたが,「アメ男の妻」さんのblogの「英語de論文」のカテゴリーにとてもよくまとめてあります.
ワタシは感謝の意もこめて,リンク先のアフィリエイトリンクからamazon.comに注文して,"Communication in Science", "Style", "The Elements of Style Illustrated"を購入してみました.まだ読んでいる途中なのでなんともいえませんが,正しい綴りや,正しい文法で書くだけでなく,よりplainな英語で,明瞭に表現することも大事であると改めて認識いたしました.前回のエントリにてStylewriterという文法チェック&スタイルチェックソフトを紹介しましたが,これをつかいこなすためにもplain styleに対する理解が必要かなと思います.昔,paragraph writingの本(論理構造をまもって文を書けってことですね)を読んでかなり感心したのを覚えていますが,いやあ,勉強しなくちゃならないことが当然いっぱいあるんですね.
「勉強しなくちゃいけない」ということがわかっただけでももうけものです.実際に勉強するかどーかは別として.
最近は,日本の宇宙開発に関するニュースを共同英訳するプロジェクトであるJSpaceで,日本語の口語を英訳するのに四苦八苦したり,みごとな訳を見せてみらって感動したりしているのですが,逆に日本語の最適化文体ってのはどういうものなんでしょうか.plain Englishのカウンターパートになるもの.言語明瞭・意味明瞭になるような日本語での書き方の指針も勉強する必要がありそうですね.とりあえず,"plain English"を和訳したものはいい日本語になり得る気がします.
とここまで書いて,自分の文章のデタラメさがいやになってきた.これを気にしているといつまで経っても更新できないんで,そこそこ直して結局駄文を公開してしまうワタシであったのでした.
投稿者 hmishima : 16:45 | コメント (1)
2006年04月05日
この1ヶ月の研究関連健忘録
一ヶ月更新しないとエントリーが表示されないようなのであわてて更新します.
今回は,単なる健忘録ですので,わからないヒトは読み飛ばしてくださいませ.以下マニア以外は無視した文章がつづきます.
この一ヶ月は某グラントに申請すべく,英語でポチポチ文章を書いていました.で,こういう用途には黄金の組み合わせであるところのTeXとEmacs (Meadow) + YaTeXを私もつかって仕事をすすめていたのですが,いろいろ細かなチューニングが必要でしたので,ここに書いておきます.さすれば,そのうちだれかがサーチエンジン経由で見つけて,誰かの訳に立つかもしれないじゃないですか.
(1)奥村晴彦さんの「LaTeX2e美文書作成入門・改訂第三版」の付属ツールの不具合
dvipdfmxでpngファイルをpdfに変換すると,pngファイルが薄くなってしまう不具合があります.具体的には透過ビットの処理の問題のようです.dvipdfmxを最新版に更新することで解決します.また,A4版以外を使用(たとえばレターサイズ)するときはdvipdfmxに"-p letter"などのオプションを渡す必要があります.jsarticleクラスファイルは優れもので,"english"オプションをつけると英文の場合も快適につかえます.
(2)MeadowはやっぱりMeadow3
Windows用emacsのひとつ,Meadowですが,つかうなら開発バージョンのMeadow3がおすすめ.Netinstallでfontをいれてやれば,かつてその面妖かつ複雑怪奇な設定で悪名高かったフォント設定が一発でできます.普通はwindowsフォントでいいのでしょうが,やっぱり"¥"じゃなくて"\"という私のようなひとはbdfフォントをどうぞ.
(3)MeadowとTeXと外部文法チェッカーを組み合わせる
ispellとかaspell(こっちをつかってます)といったスペルチェッカはとても優れているのですが,MS-Wordにあるような文法チェッカにこれぞというものがみつかりません.そこで,商品としてうられているStylewriterという文法チェック&スタイルチェック(受動態が多すぎるとかツッコンでくれる)ソフトを導入してみました.クリップボード経由で文書をわたせますので,Cygwinをインストールしてある環境の場合は,Meadowでリージョンを選択したのちに,M-|(縦棒)として,"detex | putclip"とすると,リージョンがdetexでTeXコマンドを取り除いたのちクリップボードに送られて便利です.
以上,ごく少数の役立つヒトには役立つ情報でした!
投稿者 hmishima : 22:56